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稲荷ずしの由来

 

田んぼが黄金色に輝く秋は、新米の季節です。

「今年も美味しいお米が沢山出来ますように!」という願いは、

日本人の食文化と結びついています。

 

稲荷いなりずしは「稲荷神」へのお供え物です。「稲荷神」は農耕の神様の事で 江戸時代から農民が、稲が実りますようにと豊作のお願いをしていました。その神様を祭ったのが「稲荷神社」です。  
昔から田の神は稲刈りが終わると山に登って山の神になり、春になると山からおりて田の神になるといわれていました。キツネは春が来ると山からおりて田んぼのネズミを食べ米を守り、秋になると山へ帰っていくので、稲荷神の使いとされました。このようにキツネは家を守るという考えが、広まっていったのです。
毎年初午*はつうまの日に全国の稲荷神社では、五穀豊穣や商売繁盛を願って初午祭りが行われます。油揚げはキツネの好物、その中に農耕の神様である稲荷神がもたらしてくれた飯が詰められて出来たのが、稲荷ずしなのです。

 

形も地方によって違います。

 

関東は俵型・・・米俵に見立てて生まれた形   

関西は三角形・・キツネの耳に見立てた形

 

すし酢の好みにも地方による違いがあります。

すし酢は酢と砂糖、塩を混ぜて作ります。

関西は砂糖の割合が関東に比べて多いため、関東は甘みが少な酸味の強い味、

関西は甘みの強い味になる傾向があります。

 

 *初午…2月最初の午の日 2022年は2月10日

 

関東の稲荷ずし

関西の稲荷ずし


<参考文献> 食の歳時記 別冊歴史読本52第31巻26号p60(株)新人物往来社、たべもの語源辞典p17(株)東京堂出版、年中行事の常識67p28(株)一藝社


 → 色とりどりの具をのせた稲荷ずしを作ってみよう。 子どもと作るトッピングいなりずし につづく